イコライザー。
まずこのタイトル、だいぶ前になるが、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の『イレイザー』という作品が頭に浮かんだ。
本作同様アクション作品だ。
もちろん、本作とは何の関連性もない、と同時に友達が音楽をやっていたので、そんな名前の音響機器が頭に浮かんだ。
言葉自体の意味は、同等(平等、均一)にするとある。
それだけでは、
「何のことやら?」
になってしまうが、作品を見れば、
「なるほど」
と納得させられてしまう。
デンゼル・ワシントン演じるロバート・マッコールは、ホームセンターで働き、眠れぬ夜は近くのダイナーで本を読む。
日常的にかかわるすべての人に気を配り優しく接する。
そんなマッコールだが、実は元CIA?(詳しい経歴は明かされないが、すご腕どころではない工作員)で、不当な扱いをうける人々を平等に普通の人と同じように生活できるよう助けている。
そして、それは悪党であっても同じで、改心するチャンスを平等に与える。
これこそがタイトルにある『イコライザー』ということになる。
そして、忠告を聞かない悪党には実力行使もいとわない。
それこそ、一瞬でカタを付けてしまう。
ここに、マッコールの恐ろしさがある。
彼は人を殺すときに、時間を見積もる。
倒せるか倒せないかではない、どれくらいで倒せるかの計算だ。
そして、ほぼ、その通りに実行する。
ふとした瞬間に見せる、彼の死んだような漆黒の瞳。
そこに映るのは虚無しかないようにおもえてしまう。
監督はアントワン・フークア。
私が鑑賞した作品は全て、80点台を叩き出してくれる安定感(実は香ばしそうな作品は避けているw)がある。
特に本作の主演であるデンゼル・ワシントンに悪役を演じさせて、アカデミー主演男優賞をもたらした『トレーニングデイ』に至っては、100点に近い満足感を与えてくれた。
ただ、残念なのが、本作は1980年代に放送されたテレビドラマ『ザ・シークレット・ハンター』の劇場版ということもあり、最初からシリーズ化(3部作で完結)の予定だったのか、マッコールの過去についてほとんど触れられてないのが残念。
映画はシリーズであっても一本、一本が独立した作品でなければならない派なので『2』でもう少し踏み込んでくれるかもしれないが、それはちょっと違う。
とはいえ、オープニングから、マッコールの整理整頓(ほとんど何もない)された部屋の中をカメラがゆっくりと動き、鏡の前で身だしなみを整える姿。
ワークシャツにズボン、決しておしゃれではないが、清潔感が漂う。
これだけで、マッコールという人物がどういう人間かこちらに伝わってくる演出は大好きだ。
こういうところは流石。
そして、クロエ・グレース・モレッツ演じる少女娼婦アリーナとの触れ合いだ。
その出会いの場がアメリカ映画ではお馴染みの『ダイナー』というのが、またいい。
日本ではファミレスになってしまうのだろうが、やはり「似て非なるもの」という感じがしてしまう。
あの独特な雰囲気を持つ店が日本にもあれば頻繁に通うのにとおもってしまう。
話がそれたが『キック・アス』で初めて彼女を知って以来、その存在感には目を見張るものがある。
貧しい少女娼婦という境遇でありながらも、歌手という夢を持つ彼女をマッコールは応援する。
そんな時の彼は楽しげで「その死んだような漆黒の瞳」にも光が宿っているように見える。
何もそうしたことは彼女だけではなく、不幸な境遇から必死で這いあがろうとする人たちの力になり、その人たちが一歩踏み出した姿を見るマッコール自身誇らしげにしているようにも見えるのもよき。
彼は今日も深く、静かに誰かを助けるのだろう。


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