まず、このタイトル、
「好き」
べつに季節に良し悪しなどない、それは人間側が勝手に言ってるに過ぎない。
夏にしたら迷惑な話だが、夏のむし暑さは、確かに人からヤル気を奪う。
ときには、生きる力すら奪うかもしれない。
冒頭から、夏のむし暑さ感がてんこ盛りだ。
観ているこっちも不快指数がアップするくらいに、むし暑さが伝わってくる。
令和の現代において、これほど役者さんが汗をかいて演じる作品も珍しいのではないだろうか?
おもな舞台となる部屋にはエアコンがない。
私が幼かった当時を思い出させるような、感覚。
本作は『生活保護』がメインテーマだからそれも納得?
夏のむし暑さ、不快感を前面にだして、登場人物の生きづらさの比喩としているのは大変よき。
しかし、それと作品の面白さがマッチしないのが本作だ。
だけど、私は、
「嫌いじゃない」
市役所勤務のケースワーカーである佐々木守(北村匠 扮演)は、同僚の高野(毎熊克也 扮演)の不正にからんで林野愛美(河合優実 扮演)と出会う。
その出会いが、守の人生を一転させる真夏の出来事になる。
愛美を演じている河合優実がじつに掘り出し物だ。
私はたぶん、初見だとおもうが、美し過ぎず、それでいて目を奪われてしまう。
愛美は高野に脅されて肉体関係を強要されていた。
こんな不幸な身の上の女性がいたら、確かに助けてあげたいとおもってしまうのは当然のことだ。
もちろん、守も例外ではない、どんどん愛美に惹かれていく。
そして、ついに守の理性が崩壊して、愛美を抱いてしまう。
だけど、守、
「それはある意味、高野と同じだぞ」
と、突っ込んでしまう。
確かに、そこに「愛はあるのかい?」なのだけれど、職業倫理的にはあり得ないでしょう。
と言いたいところではあるが、話の展開上こうしなければ先へ進まないので目をつむろう、だが、シングルマザーの古川佳澄(木南晴夏 扮演)は、
明らかに『チャッカマン』(火付け役)でしょう。
守を転落へと導くキッカケづくりでしかない。
にもかかわらず、よりによって木南晴夏という知名度の高い女優さんを起用してしまっているので、どうしても出番が多くなってしまう。
その結果、物語のテンポがだるく感じてしまう。
原作小説を読んではいないので、うかつなことは言えないが、別に必要なし。
しかも、そこまでしたにもかかわらず、肝心な守の転落がうまくいってないのが、本作の評価を下げる結果となる。
やむなく不正に手を貸してしまった守だけど、そこに対する葛藤や罪悪感がまったく描かれていない。
ただ、虚無になってしまっただけという表現なので、こちらも、
「あっそ」
という感じにしかならない。
とにかく、本作の最大の失敗は、
「まったく、ハラハラドキドキしない」
ということだ。
ただ、たんたんと物語が進んでいくだけ。
役者さんはそろえているのに、生かしきれていない。
ラストも肩透かし感満載で、転落した守は職を失ったけれど、なんかそこそこ幸せな生活を送っているというオチで終わってしまう。
「え~~~~」
本作のキャッチコピーは、
「クズとワルしか出てこない!」
らしいが、
「え~と、どこら辺にそいつらは出てたのでしょう?」
おもな登場人物は子役をふくめて10人。
そのうち、クズ一人にワル三人で、あとは必死に生きている人たちですよ?
ちょっと、
「煽りすぎ」
まぁ、
「そんなキャッチコピーは観終わって始めて知ったけどねWW」
知ろうが知るまいが、純粋に大したことない作品だから。
でも、
「私はこの世界観・・・嫌いじゃない」


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