もっとも残念なイケメンと働く私 パート2

私の日常

仕事中に、トラブルが発生して、大至急処理をしなくてはならなくなり、部長から「明日の朝までにおおまかな対策をまとめろ!」との指示が飛ぶ。徹夜でまとめた資料を部長に提出すると「お疲れさま、今日はもう帰宅してかまわないぞ」とのお言葉をいただき「ありがたき幸せ」と心の中で片膝をつく。ふらつく体でロッカーに向かう途中、会議室から部長と課長のやり取りが・・・「とりあえず、妄想が作成した資料で現場の方へ指示を出します」「こういった急ぎ仕事の時は頼りになるな」「だけど、今日の80点は出せても明日の100点は無理ですね」と、図星を突かれて、一気に疲れが倍増する、そんな私の日常は・・・、

前回はチャッチャくんのドケチぶりについて書かせてもらいましたが、ここからが本番です。

誰もが認めるイケメンのチャッチャくんだが、入社当初からあるウワサがささやかれていた、それは・・・、

「童貞疑惑だ」

私が勤める会社は、高卒の地方出身者が多く入ってくるため、令和の今になっても童貞率はそれなりに高い。

そのため、現在も悪しき風習が会社には残っている。

それは、先輩社員が新入社員を風俗に連れて行って、

「強制的に童貞を卒業」

させるというものだ。

もちろん、先輩のおごりだ。

ちなみに、私が入社した時、風俗には連れて行ってはもらえなかった。

それは、

「私が童貞ではなかったからだ」

そう、会社の先輩の中には、犬も真っ青の嗅覚で童貞臭をかぎ分ける特殊能力者がいる。

つまり、その特殊能力者である先輩に風俗に誘われたということは、

「お前は童貞だ!!!」

と、言われているのと同義ということになる。

もちろんチャッチャくんにもお声がかかった、

「だって、童貞だからね」

しかし、彼は断固としてそれを否定した。

正直、チャッチャくんと女性の話をすれば、童貞であることは普通の私でもわかる。

確かに否定したい気持ちはわかる、

「だって、イケメンなのだから」

しかし、誰にだって初めてはある、それを恥ずかしがっても仕方がない。

そんなことを言ったら私の初体験など、恥ずかしさをはるか彼方に置き去りにして、情けないところにまでたどりついてしまうことになる。

私の初体験は高校二年生の時で、当時としては早いほうだったとおもう。

相手は私より一つ年上の、

「おマタがゆるい」

と評判のさせ子先輩だった。

たぶん、今の人たちは知らない言葉だとおもう。

少なくとも私の周りの人は誰も使っていないので、きっと死語になっているのだろう。

させ子とは、

「男から求められたら断れない超絶受け身の女性を指す言葉だ」

今でいうヤリマンとは若干違う、あくまでも受け身で、自分から求めることはない。

そんなさせ子先輩に、

「男にしてください!」

と、土下座してヤラしてもらったのが、私の初体験となる。

それから、二年間まさかのセカンド童貞の日々を送るとは思わなかったが・・・。

いや、話を戻そう。

チャッチャくんがかたくなに童貞を否定しているあいだに、同期はおろか、後輩も次々と先輩に連れられて童貞を卒業していき、彼は完全に取り残されてしまった。

そんなチャッチャくんを私たちは、

「ラスト童貞」

と、影では呼ぶようになっていた。

ここまでくると、もう孤高というよりは、単純にあとに引けなくなった哀れな男としか言いようがない。

もちろん、私たちが手をさしのべなかったわけではない。

しかし、そのたびに、

「風俗が嫌いなだけで、普通の女性とお付き合いしている」

と、見え見えの強がりを言うので、

「ならば、そのチカラ見せてもらおうか?」

と、私の中のシャアが顔を覗かせる。

私はチャールズ皇○子とともに合コンをセッティングして、そこにチャッチャくんを呼んだ。

結果・・・、

「通常の三倍のスピードで女性陣にドン引きされて撃墜される」

その場に居た私たちですら、何が起きたのかわからないほどだった。

合コン開始と同時に、

「年末年始のバーゲンセールか?」

と、錯覚するほどにチャッチャくんに群がる女性陣を見て、私たちは彼を連れてきたことを心底後悔した・・・が、三十分もしないうちに、潮が引くようにチャッチャくんから離れていく女性陣。

気がつけば私たちの隣で、今、合コンが始まったかのごとく、笑顔で自己紹介をする女性陣に戸惑いを隠せなかった。

「何があった?」

と、聞きたくなる私の気持ちを代弁するかのように、

「チャッチャくんはいいの?」

と、ズバリ聞いたのは、やはりあの漢、

チャールズ皇○子だ」

私は、聞き逃すまいと耳をダンボのようにして固唾を飲む。

「話がつまらないし、年下のくせにいきなり上から目線で説教とかしてくるし、はぁ? お前なにさま、初対面のお前に何がわかるの? 時間返せって感じ」

もう、言葉にトゲというレベルではない、トゲに毒を塗りたくったような強烈な言い方に、彼女の怒りが存分にこめられている。

しかし、これでハッキリした・・・、

「アイツ、童貞以前に彼女できたことがないな」

である。

そして、それを証明するかのように、チャッチャくんは毎回やらかしてくれる。

女性陣の反応も毎回、判でついたように同じである。

呆れるほどの、

「トーク力」

と、言える。

「というか、いい加減に気づけよ!」

と、心の中でツッコミを入れる私。

しかし、そんなチャッチャくんに異変が・・・、

「そう、童貞を卒業したのだ」

と、いうことで、これから盛り上がるところなのですが、ごめんなさい、

「TO BE CONTINUED」

となります。

次回、

「おまえ、よくできるな」

乞うご期待。

本日のBGM:DIE(feat. KZHI)/KOTA このBGMは、話の内容とは一切関係ありません。ただ、書いている時に聴いていた、というだけのことです。

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