中学生の時に観て以来の再鑑賞になるけれど、さすがに時代を感じずにはいられないが、古臭さは全く感じられない。
「やっぱり、マックイーンはカッコいい」
スティーブ・マックイーンの主演作はかなりの数を観ているが、
「カッコよさの中に時折見せる、愛嬌が魅力の俳優さんだ」
前回『秘密の花園』のレビューを書いていて、主人公である直子が負けて終わるラストについて書いていて、真っ先に頭に浮かんだのが本作だ。
若手でありながら、ポーカーの名手である“シンシナティ・キッド“ことエリック・ストーナーと王者である “ザ・マン“ことランシー・ハワードとの対決を描く本作。
ご多分に漏れず、若手で自信満々の挑戦者(キッド)と老練な王者(ザ・マン)という構図だが、このランシーの描写に比較的時間を使っているのが印象的だ。
しかし、そのせいで、ランシーの王者にして、驕らず、紳士的な振る舞いについ感情移入してしまう。
私が歳をとったせいもあるかもしれないけれど、キッドの青臭さが目立って見えてしまう。
同じように勝負師の世界を描いた傑作『ハスラー』の“ファースト・エディ“ことエディ・フェルソンと比べてしまうとどうしても見劣りしてしまう。
エディのように、失敗や敗北を経験して勝負師として成長する姿が描かれていないのが原因だ。
さらに、シューターやメルバ、スレイドといった脇役の描写にも時間をかけてしまっているのが、痛い。
もっとキッドの描写を丁寧に描くべきだ。
本作の中心はあくまでも、キッドとランシーの勝負師としての生き様であり、そしてその二人がプライドを賭けて激突するポーカー勝負なのだから・・・、
「なのに、どうして、休憩時間中にメルバの誘惑に負けるかな?」
そうしたところが、キッドという男といってしまえばそれまでだが、勝負師としての真剣さを全く感じることができない。
この時点で、
「負けて痛い目に遭いたまえ」
と、完全に王者ランシーを応援してしまう。
傑作『ハスラー』に遠く及ばない作品なのは頷けるところだ。
タイトルにも書いてある通り、本作はラストシーンが二つ存在しているというか、
単に編集の問題なのだが、これによって、作品に対する印象が全然違ってしまう。
私が観たラストシーンは、キッドがランシーに完膚なきまでに叩きのめされて、打ちひしがれているところに、靴磨きの少年にコイン投げの勝負を挑まれて、ここでも負けてしまうという救いのないラストで終わっている。
当時の私は、かなりの衝撃を受けたものだ。
しかし、それが、勝負師の世界、
「勝者と敗者」
この二つしか存在しないのだとおもわされた。
それで、今回鑑賞したラストシーンにおもわず、
「いやいやいや」
となってしまった。
なんと、靴磨きの少年に負けた後、恋人であるクリスチャンが現れてキスをして終わる、
「はぁ?」
もう、言葉がありません。
厳しい勝負師の世界観が一瞬で崩壊してしまいました。
どうやら、昔のビデオとかでは、私が見た救いのないラストになっていて、近年のDVD版では、ある意味ハッピーエンド的な、救いのあるラストになっているようです。
なので、本作の点数は、
「救いのないラスト」
の方の点数で、もし、初見でハッピーエンド版を観ていたら、点数はもっと下がります。



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