予期せず、新たなる扉を開いてしまう私

私の日常

仕事をしながらの朝食を済ませて、コーヒーを飲み、心穏やかなひとときを過ごし、始業10分前にトイレの個室に篭り、AirPods Pro2で音楽を聴きながら歯を磨く。いつもと変わらぬ朝の風景・・・とおもいきや、強烈な臭いと破裂音に歯を磨く手に強制ストップがかかる。曲と曲の間の無音状態の惨劇だ、せっかくの朝のひとときを台無しにされた、そんな私の日常は・・・、

日雇い六連勤の疲れを会社で癒す私だが、

「癒されるわけがない」

確かにデスクワークだし、コーヒーナップ(居眠り)で睡眠を取っているけれど、根本的な解決にはならない。

と、おもっていたところに、天からのお恵みが・・・w w

なんと、16日土曜日の日雇い現場が、システム障害によるメンテナンスのため稼働停止になったとの連絡がくる。

「チャーーーンス」

もう、ここは休もう。

そうなれば、ここはスイーツ食べ歩きでも、爆食ツアーでも・・・、

「いや、ここは食欲よりも体を優先しよう」

と、一日中ゴロゴロできる場所を、仕事中にも関わらず堂々と検索してやった。

漫画喫茶、カラオケ、コワーキングスペースといくつかの候補はあるものの、どれも決定打に欠ける。

そんな時に、マッサージの文字が・・・、

「その手もあるか・・・」

と、一瞬だけ希望の光を見たが、

「一日中揉んでもらうわけにはいかないだろう」

と、いうことで即座に却下となるが、サウナマッサージの文字が・・・、

「サウナか・・・」

私は、過去に数回サウナというか健康センターに家族で行ったことがあり、その時に試しに入り、ものの一、二分でギブアップした記憶がある。

当然、水風呂なんてもってのほかだ。

しかし、サウナの効能を見ると、疲労回復の効果が高そうではある。

入浴料もサウナだけなら、二千円もかからない、漫画喫茶とかよりもお得だ。

おまけに、食事もできる。

これはかなり大きなポイントだ。

私は早速、サウナのことを調べるため、帰りの電車の中で、

「サ道」

を鑑賞する。

このドラマの存在は知っていたが、そもそもサウナに興味がないのでスルーしていた。

電車を降りた私は、ホームで一本の電話をかける。

「16日の土曜日なんですが、カプセルの予約をお願いします・・・」

と、近場のサウナのカプセルを予約していた。

かなりギリギリではあったようだが、どうにか予約できた。

もう、すっかり心だけはサウナーである。

エクセルを使い、おおまかな時間割と、食べたい食事の料金を打ち込んでいく。

行き帰りの着替えの有無、館内着を着るか否か、考えることは山ほどある。

こうなると、仕事どころではなくなる。

最大の問題は飲食だ・・・持ち込みの飲食は禁止だが、まぁ、多少のお菓子くらいなら・・・、

「カントリーマアム、柿の種、チョコレート、お煎餅、そして、忘れてはならない、白かりんとうにチョコレートビスケット」

・・・、

・・・カプセル内を汚さないように、20リットルのゴミ袋を鋏で切って、広げられるように準備する。

「最低限のマナーは守らないと」

と、そもそものマナー違反には目をつぶる私。

しかし、これだけの量のお菓子となるとかさばること半端ない。

かといって、レジ袋に入れて行くわけにもいかず、袋から出して、ジプロックに入れて少しでもかさばらないようにする。

何とかリュックに詰め込むことができた。

しかし、ちょっと押したらお菓子が潰れてしまいそうだが、

「帰りには全部なくなっているから」

と、自分を納得させる。

そして、ついにサウナデビューの前日、

「全然眠れないんですが・・・」

まさか、遠足前の小学生でもあるまいし。

しかし、現実には、何回も目を覚ますし、眠れないので、深夜二時半には寝床を後にして、早すぎる朝食をとり、始発電車で行くことにする。

幸いにも、予約したカプセルは朝の四時以降ならいつでも利用できるので問題はない。

計画では、朝、ウォーキングを三十分して、シャワーを浴びて、サウナに行く途中、松屋で朝定食を食べて・・・と計画していたのが、早くも変更を余儀なくされてしまう。

早朝、5時半にはチェックインを済ませる。

まずは、頭と体をちゃんと洗う。

私のサウナに関する知識は全て『サ道』からのもので、その通りに行動する。

湯船に浸かり、そしていよいよ、サウナだ。

入った瞬間に、

「もあ」

と、した熱気が私を襲う。

それでも、

「とりま、五分、くらい」

と、緩めに覚悟を決める・・・、

「いや、無理はだめだ」

と、四分で出てしまう。

そして、水風呂・・・、

「ごめんなさい、無理です」

そこで体温と同じかそれよりも若干低く設定されている『不感湯』に入り、それで勘弁してやることにする。

そして、内気浴。

温泉→サウナ→水風呂(不感浴)→内気浴

これを1セットとして、これを3セット行う。

館内にもそのような案内がある。

確かに、心地よいが、これではいつものお風呂と変わらない。

「2セット目は、意地でも水風呂に入ってやる」

と、決意も新たに2セット目に突入する。

今度は6分間サウナに入ることができた、というか全然楽勝だった。

これなら、

「水風呂もいけそうな気がする」

その予感は的中する。

「水風呂に入れたよ」

と、初めて自転車に乗れた時のような高揚感に、まるで童心に帰ったように、心の中ではしゃぐ私。

「水風呂はご褒美」

などと、言う言葉が頭に浮かぶくらいに水風呂が好きになっていた。

その後も順調に3セット目をこなす。

「ととのう」

とか、そんなものはどうでも良かった。

とにかく、ひたすら蒸されて、体を冷やしての連続が心地よくて、こんな体験は初めてのことだった。

さらに、私のテンションが上がったのは、自分自身では、

「まだまだ鍛え足りない」

と考えていたこの体が、サウナに集うメタボゾンビどもに圧勝したことだ。

そして、私と同じく鍛えている体を見ると、

「次に来るときは負けない」

などと、勝手に闘争心が湧き上がり、明日からの筋トレの活力ももらえた。

これは完全に想定外のことだった。

浴室から出る頃には、7時半を回っていて、90分くらい入っていたことになる。

お腹もいい具合に減っているので、ネットでおすすめになっていた、

「ハムエッグ定食」

を注文。

そして、カプセルに戻り、

「お菓子ターイム」

とはいかずに、そのまま眠りにつく。

10時半くらいに目を覚ました私は、当たり前のようにサウナに入りに行く。

そして、3セット。

浴室を出て、昼食、そして睡眠。

目が覚めればまたサウナに行き3セット、そして食事。

ここで、ちょうど18時近くになり、そろそろ帰らなければならない時間になる。

明日も日雇いの仕事がある以上、ここら辺が潮時だ。

カプセルに戻り、枕元に隠しておいた大量のお菓子を再びリュックに詰め込む。

「なんのために持ってきた?」

などと、自問する私。

もう、すっかり、自称サウナーとなった私。

外に出ると、もあっとした熱気が襲ってくるが、自称サウナーの私には、

「どうということはない」
(by.シャア)

本当に、ほとんど汗もかかず無事に帰宅。

日曜日の日雇いは体も軽やかに、舞うように仕事をこなし、週初めの月曜日、カレンダーと睨めっこをして、来月のサウナはいつにするかを考える。

もう、頭の中はサウナに入ることでいっぱいになってしまっている。

「最低でも月二回」

会社にはいつもの、

「歯医者に行くので1時間早めに帰ります」

ということにすれば、わざわざ有給休暇を取らなくても、サウナを満喫して食事をして帰っても普段と変わらぬ日常を送ることができる。

『筋トレ』と『サウナ』この二つがあれば、残り少ない人生、充実して生きていける。

そんな風におもえてしまうほどにハマってしまい、新たなる出費を増やしてしまうことになる私。

ただ、これもサウナ効果なのか、サウナでは食べる気にすらならずに持ち帰ったお菓子たちが、数日後にはいなくなっていたことだ・・・。

本日のBGM : MS.hellfire / Nika このBGMは、話の内容とは一切関係ありません。ただ、書いている時に聴いていた、というだけのことです。

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