仕事中によからぬ妄想に浸っていたら、管理部の白鳥さん(仮名)から、電話が来て、白鳥さんの容姿が頭に浮かんだ瞬間、光の速さで我に返り、とんでもなく自己嫌悪に陥る・・・そんな私の日常は・・・、
日雇い派遣の仕事を始めてかれこれ、四年ほどになる。
最初は土曜日だけだったのが、気がつけば土日も働いている。
以前の記事でも書いたが、私はお小遣い稼ぎのために働いているのだが、私が一緒に働いたほとんどの人は生活のために働いている。
コロナが大流行した時などは、飲食業やスポーツジムのトレーナー、タクシードライバーなど客商売の人たちが少なからずいて驚いた。
そうした人たちと仕事をしていると、申し訳ないが会社員であることのありがたみ実感する。
この、ささやかな感謝の気持ちを心に刻んで、これからも会社の仕事と・・・、その、ほんのちょっとした合間の”筋トレ”に尽力したい所存です。
さて、話しが逸れたが、週末だけとはいえ、これだけ働いていると、色々な人との出会いと別れを経験することになる。
今回は、私が日雇い派遣で出会った人たちの中から、インパクト強めの人たち、いわゆる、私の中での”ブラックリスト”を晒していきたい。
“HAPPY MAN”
(No.52)
お前は、
「往年の江口洋介か!!」
と、言いたくなるほど、肩までかかるワンレンの髪型で、ルックスは、ギリ・・・、
「平均点以下」
私と同じだ。
だけど、羨ましいことに、髪の毛はサラサラのうる艶髪の毛で、
「少し分けてくれ」
と、お願いしたいくらいだ。
話を戻すと、名前からして、とてもご陽気なネーミングだが、彼のHAPPYとは、自身の楽観主義をを表していて、周りの人たちをHAPPYにさせる・・・どころかとんでもなく不快にさせてくれる。
とにかく、馴れ馴れしいのが特徴で、私も最初は、
「コミュ力高めだなぁ」
と、少し羨ましく思ったものだが、とんでもない、一度話してしまうと、
「お前はスッポンか!」
と、言いたくなるくらい、仕事中にも関わらず、ずっとついて回って話しかけてくる。
そのせいで、社員さんから注意を受けたこともあった。
その上、根本的にサボり癖があるみたいで、
本当に迷惑極まりない、幾度となく距離を置こうとしても、すぐに話しかけてくる。
この時点で遅まきながら、みんなが彼を避けるから、私のところに来るのだと気付く。
それならば・・・、
「私の身代わりを用意すれば・・・」
私の心の中の悪魔が、そうささやく。
私は、その心の声に必死に抗うも、あっさりと白旗を掲げて、身代わりを用意することにしたが、それを実行に移す前に”HAPPY MAN”は、
「勝手に自滅してしまった」
それが何ともマヌケなことに、
「勤務時間の改ざんをしたのだ」
そこの現場は、勤怠の管理を、
「タイムシートで行っている」
ので、正規の出勤、退勤の時間を書き込んでしまえば、途中で帰ってしまっても、処理されてしまう・・・、
「ワケあるか!」
社員さんは、格派遣会社ごとの人数を、ちゃんと把握して仕事の割り振りをしているから、居なくなればすぐさまバレるに決まっている。
結果、
「一発アウト!!!」
出禁となってしまった。
その後、ウワサでは、悪質な違反行為だとして、派遣会社からも登録を抹消されてしまったらしい。
もちろん、その後、彼の消息は不明だ。
“イキリスト”
(No.145)
これぞメタボの見本と、言わんばかりの体型に、ダボダボのデニムと、ヨレヨレのシャツ。
「だらしなさコンテスト」
があれば、上位に食い込むのは間違いない。
年齢は私より二歳下だが、精神年齢は、
「十代か!」
と、思うほどに低い。
ちなみに、私の息子が二十二歳だが、明らかに息子の方が大人だ。
歳が近いせいか、向こうは勝手に親近感を持って話しかけてくるのだが、その話の内容が
もう”イキリスト”なのだ。
「現場の社員にムカついて、その場で帰ってやった・・・」
「競馬で100万当てて、ひと月で使い切った」
など、わざわざ人に言うべきではないことを、さも武勇伝かのように話す。
こっちのプライベートにも遠慮なく踏み込んでくる。
別にそこまで警戒しているワケではないが、勤めている会社や、何処に住んでいるとか、
「教えるワケないだろうが!」
さらには、聞いてもいないのに、
「前は○○で働いていた」
と、誰もが知る大手企業の名前を挙げるのだが、どうにも胡散臭い。
とにかく、話す内容全てが、自分を大きく見せようという意図が透けて見えて、私も早々に右から左へスルーして、いなすようにしていたら、ありがたいことに、向こうから離れて行ってくれたのだが・・・、
私の代わりに犠牲となったのは、まだ二十歳そこそこの男子二人だった。
この二人は、まだ現場に馴染んでいないこともあって、自分の父親くらい歳の離れた”イキリスト”に、主導権を握られてしまった。
もう、完全に男子二人を子分扱いをしている姿を横目で見ながら・・・、
「何事もなかったように、普段通り仕事をする」
私がいた。
申し訳ないが、所詮は人ごとだ。
しかし、一つだけ困ったことがある。
ここの現場は、一番近い駅から、5キロほど離れているので、駅まで送迎バスを利用するしかないのだが、その車内で”イキリスト”が子分二人に、上から目線で説教をしている声がうるさくて仕方がない。(※1)
そんな状況が二ヶ月ほど続いた年末から”イキリスト”の姿を見なくなった。
一応、子分二人にそれとなく聞いてみると、
「年末年始は、給料が日払いじゃないので、他の現場に行ってる」
と、少し半笑い気味の子分二人。
そう、派遣会社自体が正月休みに入ってしまうので、給料は年明けの10日にまとめて支払われることになっているのだ。
つまり”イキリスト”は日払いの給料で、文字通り、
「その日暮らし」
の状態らしい。
結局、年が明けてしばらくしても”イキリスト”は現場に来なかった。
いや、平日に来たらしいのだが、
「その日暮らし、マジリアル」
と、子分二人が突っ込んだら、あからさまに不機嫌な態度で、早退してしまい、それっきり来なくなったとのことだった。
その後、派遣会社の社員さんと話す機会があり、ちょっと気になって”イキリスト”のことを聞いたら、
「当社で紹介できる現場がなくなって、辞めた」
との答えが返ってきた。
行く現場、現場で、何かしらやらかしまくったのは想像に難くない。
自分の生活よりも”イキリスト”として生きることを選んだ彼の人生に幸あれ・・・。
本日のBGM : 幾億光年 / Omoinotake
このBGMは、話の内容とは一切関係ありません。
ただ、書いている時に聴いていた、というだけのことです。
※1 まだこの頃は”AirPods Pro”を持っていないので、耳が痛くなるくらい、音量を上げないと、話し声は遮断できない。


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