スーパーのレジで紳士的な行動をとる私

私の日常

仕事中にネットを見ていて、下半身強化には”ブルガリアンスクワット”が効果的なる記事を見て、早速、見よう見まねでやってみるも、体幹が弱くフラついてしまい、下半身強化どころか、膝を痛めそうになる・・・そんな私の日常は・・・、

その日、私はJRの改札を出ると、脇目も振らずに「券売機」に向かう。

「モバイルSuica」にチャージをするためだ。

普段から現金を持ち歩かない私は「モバイルSuica」か「PayPay」のどちらかで清算する、逆に言えば、このどちらも使えない店では買い物をしない。

この日も、いつも通り帰宅途中に「業務スーパー」で買い物をする。

「しらたき」「もやし」といった、ダイエット食材をカゴに入れて、レジ待ちの列に並ぼうとすると、長蛇の列になっている。

原因は、全部で4つあるレジが3つしか稼働していないことによるものか、しかし、イラつくこともなく、

「こんなこともあるさ」

と、大人の余裕を見せる私。

そう、電車の乗換え時間にはまだ余裕があるからだ。

「何事も余裕を持つことが大事だな」

などと言ってみるが、私はどちらかと言うと、せっかちな方だ、いや、せっかちだ。

だか、列に並ぶくらいは全然平気だ、多分これは子供達を連れて何回も行ったディズニ○ランドのおかげとしか言いようがない。

「ありがとう、三っ木ーさん、あなたが日本に上陸してくれたおかげで、真夏の炎天下、ある時は、寒風吹きすさぶ真冬の中、大して乗りた○もないアトラクションに何時間も並ばせやが○て、でも、おかげさまで、その甲斐あって、レジ待ちの列くらい、屁のカッパ、余裕のよっちゃん、平気の平左衛門になりました。心から、お恨み○し上げます」

まぁ、半分は冗談ですが、でも、それまでの人生で列に並ぶなんて、ほぼなかったですからね。

ちょっと、話が横道にそれますが、私はディズニー○ンド自体は好きですよ。

徹底して非日常を演出してくれるのは、おっさんでも、楽しめます。

我が子が結婚して孫ができたら、必ず連れて行きたいと思ってます。

「アトラクションには乗らないけど・・・」 

話を戻すと、

列も少しずつ進み、いよいよ、次が私の番となった時、女性の店員さんが小走りで私のところに来て、

「こちらのレジにどうぞ」

と、稼働していなかったレジに案内してくれる。

「店員さん、グッジョブ」

と、思つつレジに向かうと、よほど慌てていたのか、その女性店員さんは、レジの脇に積んであった買い物カゴに足を引っ掛けてしまう。

すかさず、

「大丈夫ですか」

と、優しい言葉をかけるジェントルマンな私。

「すいません、ありがとうございます」

と、言葉を返す女性店員さん、しかし、まだ慌てている様子が伺えたので、

「急いでいませんから、大丈夫ですよ」

と、さらに相手を気遣うジェントルマンな私。

女性店員さんは、優しい笑みを見せる。

「***円になります」

「Suicaでお願いします」

「こらに音がするまでタッチ願います」

私は慣れた手つきで袖を少しまくり、”Apple Watch”を端末にかざす。

「・・・」

「・・・・・・」

反応なし。

「すいません、もう一度タッチしてください」

と、慌てる女性店員さんは困った様子でもう一度端末に金額を打ち込む。

もう一度試みるも、またしても反応しない。

女性店員さんは、コードが端末にしっかり差し込まれているか、確認するが問題なし、

かなり焦っているのが、ヒシヒシと伝わってはくるが、私にはどうすることもできない。

女性店員さんは、助けを求めるかのように、あたりに視線を走らせて、他の店員さんがいないか探している。

「もう一度、試しましょう」

と、私は優し声音で、

「イラついてなどいませんよ」

と、いう気持ちを言外に匂わせる。

「お願いします」

「・・・」

「・・・・・・」

やはり、反応なし・・・、

瞬間、私の頭の中がスパーキングする。

「こっちも残高確認しますね」

と、平静を装うジェントルマンな私。

「お願いします」

申し訳なさそうに言う女性店員さんの声は、私の耳には届いていない、私の指はこれ以上ないというくらいのハイスピードで「パスコード」を打ち込む。

すでにお気づきの方もいると思いますが、”Apple Watch”は一度手首から外してしまうと、ロックが掛かるようになっている。

そう、私は先ほど駅で「モバイルSuica」にチャージするため外してそのままにしていたのだった。

「ごめんなさい、ロックがかかってました」

と、素直に言える人に私はなりたい、だが、今回だけは見逃して下さい。

「残高は確認したので、もう一度、試しましょう、単純に私のかざし方が悪かったのかもしれないし・・・」

ごめんなさい、今の私にはこれが精一杯です。

そんなわたしの葛藤など知る由もない女性店員さんは、本当に申し訳なさそうに、

「お手数ですがもう一度お願いします」

と、頭を下げる女性店員さんに、

「申し訳ないのは私の方です、ごめんなさい」

と、心の中で謝りながら、再度端末にタッチすると、心地良い電子音が響き、

女性店員さんは安堵の表情を浮かべる。

「ありがとうございます。時間がかかって申し訳ありませんでした」

と、頭を下げる女性店員さんに、

「大丈夫です、気にしないで下さい」

と、表面上は大人の男の余裕を見せる私、しかし・・・、

「ごめんなさい、ごめんなさい・・・」

と、心の中で念仏のように唱える私。

本日のBGM : ありがとう/ SUPER BEAVER

このBGMは、話の内容とは一切関係ありません。

ただ、書いている時に聴いていた、というだけのことです。

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